2015年12月17日木曜日

「出張美術館in寄居」に行ってきました

こんにちわ。
2015年12月12日から始まった出張美術館に行ってきました。


午後からお客さんが…と言うことで3時間しかないのでかなり迷いましたが意を決して出発。


開館30分前には到着しました…。
待ってる人もそこそこ居ましたね。

狭山市の時にはフラッシュをしなければ写真OKでしたが今回はNGということでした。
なので作品の写真はありません。
私は美大の出でもないし絵描きさんでもない素人なので笑われるのは重々承知の上ですが、勉強の為のメモ描きからいくつか恥を晒したいと思いますw

会場に入ると一番最初に原清さんの作品たち。
17点のうち15点は寄居町所蔵のものだそうです。
この寄居町に越してから5年ぐらい経ちましたが、町役場のロビーに飾られてる作品はいつも同じ3点だったので、こんなに持ってたんだと思いながらもほとんど初見の作品で嬉しい限り。


原清さん「鉄釉魚文大鉢」より。
5匹の魚が軽快に飛び跳ねてるような様子。
原さんの作風は鉄釉の重ね掛けなのではっきりとした輪郭はありませんが、何となく雰囲気が掴めればいいかなぁと。

原清さん「鉄釉鳥文花瓶」より。
こちらはたくさんの丸抜きされた中に描かれた千鳥。
この作品はそこまで大きくないんですが、手間は相当掛かってますね。


原清さん「鉄釉鳥文大鉢」より。
この形からすると四筆描きかなぁなんて思いながら…。
作り手の視点で見ると輪郭があいまいになるという意味では気の持ちようが楽ですよね。


藤田嗣治「夢」より

今回はガラス越しではないというのが非常に嬉しかったです。
ガラス越しだと誰かしら顔や額の油、手の跡を付けちゃうのではっきり見えなくなる、あれが本当に嫌なんですよね。
今回の会場は体育館という空間がかなり広い場所ので、展示自体が何やら開放的な感じがしました。

特に屏風の展示は場所が大きく取られてあって、一歩二歩後ろから全体をゆったり見ることができて、その真価が発揮されてた感じ。

平松礼二さんの屏風作品「路・神々の棲む山」
山の緻密な画に対してこの雷のぶった切り方…。
そして後光のような太陽の陽射しが、生命を育む優しさは無く、人知では計り知れないレーザーのような光の柱がドカン!と…。
それらがこれでもかっといわんばかりの黒で縁取られ漫画的表現になりそうでいて、そうはならない。
山に鳥居を並べて祀ってる人間の所業とかなんて小さいんだと揶揄してる感じを受けますね。
とにかく圧倒されてしまいました。

松本哲夫さんの屏風作品「日光東照宮」
いつまでも見飽きないと謳われてる陽明門を正面に全体的にぼやぼやした画風はこの「いつまでも見飽きない」雰囲気を出すためではないだろうか…なんて。
平松さんの屏風とは対照的で、そして徳川家康の霊を慰めるかのようにどこまでも優しい感じですね。

そして二人の屏風の間に展示された、
橋本雅邦さんの六曲一双屏風作品「厳上之虎・月下猛虎」。

右隻「厳上之虎」より。
屏風の雰囲気とは裏腹に、このもにっとした前足の可愛いこと…つい描いてしまいました。
これ左前足なのですが、右前足も後ろ足ももう本当に可愛いんですよ。
特に後ろ足なんか、踏ん張らなきゃいけないけどちょうどいい足場がないからピーンと伸ばしてやっと一段下の岩場に届いたよ、みたいな…w
屏風の題から察するにあまり可愛くしちゃ威厳が無くなりそうですよね。
でもどうしても可愛く描きたくて描きたくて、肉球は諦めるから描かせて…みたいな匂いを感じました…^^;

左隻「月下猛虎」より。
虎というか猫科の顔の雰囲気の魅力をこの人はどう描きたかったのか、どう描いたのかをちょっとでも解れば良いなと描いてみました。
目と口元は別々に描いたんですが折角なのでだいたいでも合わせてみました。
目力はあるんだけど何故か可愛く見えてしまう…不思議w

最後にもう一つだけ。
折角なので原清さんが師事した方であり、先に「鉄釉陶器」の人間国宝になってた方の作品を。
清水卯一さん「鉄耀扁壺」
ただの鉄釉から一歩押し進んだ秀逸の作品ですね。
どちらが先かは分からないけど岡部嶺男さんの晩年の「嶺燦」も一緒みたいだなと…。
このもう一歩先に行くと「曜変」になるんだろうか?と聞きたいけど…今はまだ謎は謎のままにしておきましょう。
作品から察するに赤土に2~3%のシャモットを混ぜてロクロ成形し、板を使って扁壺に。
そして削りはロクロとは逆回転で、しかもかなり軟らかい時にゆったりと削ってるみたいですね。
焼成は薪窯でかなりの強還元焼成、もう炭化焼成と言っていいかも。
清水卯一さんの作品はまだ数回しかお目に掛けれてないですが、全ての作業の技量の高さが十分に伺える作品だなと思いました。

素晴らしい作品がたくさんありましたが、限が無いのでこの辺で。


二日目も午後から予約が入らなかったので、もうこれは行くしかないな…と。
閉館時間ぎりぎりまで鑑賞させていただきました。
二日合計6時間近く、普段の何倍もの勉強になりました。

関係者の皆様、本当にありがとうございました。
そして私と快く会話してくださった方々、ありがとうございました。

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出張美術館in寄居

会期平成27年12月12日(土)~13日(日)
時間9:00~17:00
会場総合体育館・アタゴ記念館
埼玉県大里郡寄居町寄居1173
TEL048-581-8311
入場料無料
主催寄居町・寄居町教育委員会人間国宝美術館真鶴アートミュージアム
アクセスJR八高線・東武東上線・秩父鉄道「寄居」駅から徒歩2分

掲載ページ:
ピカソが寄居にやってくる!「出張美術館in寄居」

展示品リスト:


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