2013年12月31日火曜日

2013年、ありがとうございました

晦日もついに12回目、大晦日です。

昨日、美里町と深谷市から来てくれたお客さんが

今年最後のお客さんかな~と言う感じです。

今年もたくさんの出会いがあって本当に楽しかった。

皆さんと過ごした時間が私の人生の宝物です。

陶芸を通して隠居窯に関わっていただいた皆さん、

個人的に関わっていただいた皆さん、

本当にありがとうございました。

まだまだ自分ひとりが生きるので精一杯ですが、

お世話になりっぱなしにならないよう

来年も自分のできる範囲で貢献していきたいですね。

それでは皆さん、良いお年をお迎えください^^

2013年12月27日金曜日

窯が直りました

12月25日、クリスマスに窯が修理できたと連絡がありました~。

焼き物屋さんなのに窯の無い日々は非常に辛かったです。

予定通り修理していただいた福島釉薬さんには心から感謝です。

とにかく無事に戻ってきましたので、遅れてしまっているお客さんの作品をがんがん焼かないと…。

とりあえず湿気抜きのための空焚き…

窯が新品同様なので、焼成時間が大幅に短縮されてる~w

お客さんや生徒さんには、順番に焼きあがり次第連絡します。

もう少々お待ちくださいませ~。

2013年12月17日火曜日

根津美術館「井戸茶碗-武将が憧れたうつわ-」に行ってきました

前回の続きです。
2013年11月15日、茶陶三昧三館巡りをしてきました。

五島美術館から、次ぎは根津美術館へ
「井戸茶碗~戦国武将が憧れたうつわ~」に向かいます。

 

表参道駅から歩いて根津美術館へ。
雨が降り始めてたけど、構わず骨董通りからの回り道で。
お昼時なので、すごく混んでました…


無印良品のカフェを見つけたので、ここで昼飯調達。
折角ここまで来たんだから骨董屋さんも入ってみたかったが…うん、時間が無いw


途中、ビルの壁面に飴釉の陶板を発見!
場所が骨董通りとは言え、都会の人たちには気にも留められてないことでしょう…。
まぁ凝った意匠でもないですしね。


根津美術館到着。
あれっ、こんな近代的な造りだったかな?もっと重厚な施設だったはずなのに…と思って調べたら2009年に立て替えられてたみたいです…。


聞いたらロビーではカメラOKって事なので、記念に1枚。

この日はギャラリートークが開催される日で、その団体が会場をぞろぞろ歩くので押し出されてゆっくり見れない事もありましたが、 とにかく在るもの在るものが名碗揃いで、職人さんのロクロを挽く姿や高台削りの風景、実際に持った時の雰囲気を想像しながらスケッチできました。
こういった展示では非常に珍しく「重さ」も記載されていたのもあり、非常に参考になりました。
私の下手なスケッチではどれも似たような絵になってますが、やはり描くと覚えるのか目を閉じて思い出すと浮かんできそうですね。

折角なのでフライヤーから作品の写真を。


国宝、大井戸茶碗、銘「喜左衛門」大徳寺孤蓬庵蔵。
井戸茶碗の大御所ですな。
他の井戸茶碗には太刀打ちできないような別格の風格がありますね。
この写真は写ってませんが、一部釉薬が剥げてる部分なのかな?そこが釉肌に似せた漆で修復されているところがあって、それがちょっともったいない感じ…。
素のままの方が良かったんじゃないかな~と思いつつも、激動の戦国の時代を経てなおキズらしいキズもなく400年守り使い続けてきた事は、素晴らしいの一言に尽きる。
どんどん使ってこその陶器だって事を、この茶碗は伝えてくれますね。


重要文化財、大井戸茶碗、銘「細川」畠山記念館蔵
細川三斎(忠興)(奥さんはガラシャさん)が所持した由来での命銘。
元首相現陶芸家の細川護熙さんの15代前のご先祖様ですね。
大振りな本体をどしっと支える高くて存在感のある高台に、これでもかってぐらいの梅花皮(かいらぎ)が見事。
それでいて口造りは女性の唇のよう…。


重要文化財、青井戸茶碗、銘「柴田」根津美術館蔵
写真では判りづらいかもですが、大井戸茶碗より小ぶりです。
織田信長から柴田勝家へ拝領されたことでの命銘。
上の写真は枇杷色っぽさが強調されてますが、柴田勝家とは似ても似つかないような色白の女性的な茶碗でした。
鬼柴田というイメージ通りなのか茶より酒という感じで、後生大事にしまってあったのかもしれませんね。


小井戸茶碗、銘「忘水」根津美術館蔵
轆轤目もはっきりせず、竹節高台にもなってない井戸茶碗。
ベテランの職人の仕事というより、どこか未熟さが残る作品に感じました。
忘水(わすれみず)とは、野の人目に触れぬところを流れている水のこと、らしい。


ここの根津美術館は日本庭園もあるのですが、雨が降ってたので散策は断念。
時間も無いので次の三井記念美術館へ。
(つづく)

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井戸茶碗-武将が憧れたうつわ-
2013年11月2日~12月15日

根津美術館
〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1




2013年12月9日月曜日

五島美術館「光悦-桃山の古典-」に行ってきました

こんにちわ。

2013年11月15日に三館巡りを強行してきました。
行こう行こうと思いながらも結局こんなに遅くなってしまいました。

もともとは「国宝"卯花墻"と桃山の名陶」と「井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ」に行ければ「光悦の展示は行かなくてもいいかなぁ…忙しいし…」なんて思ってました。
ツイッターでNHK日曜美術館で光悦の特集「本阿弥光悦 日本最強のマルチアーティスト」が放送されたと知ったことで調べ始め、既に行かれた方のブログで感想を読んでいる内に居ても立っても居られなくなってしまいました^^;
なので二館巡りのはずが欲張って三館巡りとなりましたw

この日は朝早くに出発…
電車で上京するのは2年半振り、上野毛駅周辺も初めてなので少々不安になりながらも五島美術館には15分前には着きました。
東急電鉄の乗り継ぎが楽で助かりましたw
門前には団体さんが待っているのをすり抜けて、一番乗りでした^^;

五島美術館入り口。
お茶会があったようで、和服を着た女性の方がたくさん来てましたね。
10時になり入るとすぐに右手へ…

目の前には黒楽茶碗「時雨」が…
そしてその後ろには薄暗い空間で茶碗が照らし出されてて…一気に空気が変わりました。

この「時雨」、もうホント凄かった!
作品の大きさが記載された数値だけ見ると決して大きくないはずなのに、非常に大きく見えました。
この茶碗を持ったらどんな気持ちになるだろう?と想像しつつ、スケッチしてました。

頭に浮かべた自分の作った抹茶茶碗が本当にちっぽけに感じられて、もっと雄大に作らなきゃダメだなぁ~と思いましたね…。


赤楽茶碗「雪峯」は2度目のような気がしつつも、新鮮な気持ちで見れました。
漫画「バカボンド」第30巻でも沢庵禅師が「すげぇ」と見入る場面がありますが、自分ももうほんとに手にとってじっくり見てみたかった…
底は厚作りで割れても仕方ない…と言うか、割れて欲しくてそうしたのかってぐらい厚い^^;
焼きの時の割れと、衝撃による割れとが金継ぎによってまた命溢れる茶碗になってますね。

黒楽茶碗「七里」は光悦らしい感じの丸っこさはないんですが、これはこれで好きかな~。
赤楽より、黒楽が良く見えてしまうのは利休のせいかもしれないな…
赤楽の良さは実際に持ってみて分かってくるのかもしれない。

それにしても作品の技術だけ見ると下手くそw
でも400年受け継がれてきた茶碗は、本当に光悦が作ったか怪しい部分はあるけれど、光悦の人柄が表れているような、とてもいい茶碗でした。


ただ個人的に思うのは、この白楽茶碗「冠雪」だけが他の19碗とは作った人が違うのでは?と感じました。
他の作品はそれぞれが何となく雰囲気として似ているところがあるのですが、この「冠雪」だけはベテランの陶芸家が作ったような…技術がとてもうまいのです。
本当に下手な光悦の手によるものなのか…ちょっとどころかかなり怪しんで見てしまいましたw


重要文化財なのに個人蔵の赤楽茶碗「乙御前」、他にも黒楽茶碗「雨雲」、黒楽茶碗「村雲」、黒楽茶碗「東」、赤楽茶碗「大ふく」…
光悦の茶碗がもうこんなに一堂に集まることは無いだろうと思ってましたので、とにかく忘れないようにとスケッチしてました。
遅々と進んでましたので、迷惑を感じた方にはこの場をお借りしてお詫び申し上げます。

光悦の墨跡ですが、
以前、古文書講座に通った事もありミミズのような字がちょっとだけ解かる程度なので、全くと言ってよいほど読めませんでしたw
現代人が戦国時代にタイムスリップなんて漫画もありますが、同じ日本人でも厳しいだろうなぁw
茶碗メインだったのと解説文も少なかったので、かなり見流しました…

そろそろ出ようかと思う最後にもう一度茶碗を見渡して…
「焼きが甘くもろい楽茶碗」
「不変なものは在りはしない」
「完成は滅びの始まり」
そんな当時の価値観を表す言葉が脳裏にぐるぐる巡ってましたね。

武将でも兵士でもないにしろ明日をも知れぬ戦国時代、光悦さん、あなたはどんな気持ちで土を捏ねて作陶してたんでしょうね。

と、図録を抱え、レシートに印字されてる時間を見ると12時…2時間経ってました…
次ぎは根津美術館へ
(つづく)

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光悦 -桃山の古典(クラシック)
2013年10月26日~12月1日

五島美術館
〒158-8510 東京都世田谷区上野毛3-9-25