2010年7月3日土曜日

土間について

土間について調べた
調べてたら、たくさんの情報に頭が混乱し始めたので
せっかくだからブログの記事として
少し整理しようかと思う。

いわゆる私の目指してるのは「叩き土間」というやつ。
ネットで調べたらこういう風に書いてある。


叩き土間(三和土)をつくる
http://www.shimizu-arc.jp/sidemenu/oosawa/doma.html

荒木田の叩き土間
関東荒川沿岸で採れる「荒木田土」を主体とし、これに石灰と苦塩と砂利を混合して「土」土間の材料としている。混合した土を130ミリ厚ぐらいの見当で施工範囲全面に入れ、仕上げ厚で100ミリになるまで叩き上げる方法をとっている。

作業工程
・砕石、砂利を敷き詰め、突き固める
・混合した材料を入れて一層を一度に叩く
・湿らせたちり箒で表面を撫で洗う

材料の配合(目安)
荒木田土 8切(8尺立方)
石灰 0.5袋(セメント袋)
苦塩 2升(PH約23度)
砂利 4切
(川砂は土に馴染まず肌割れするので避ける)



配合の書き方があいまいで困った。

土は実は何でも良いみたい。
荒木田土じゃなくても。
足りなかったら近くから適当に掘ってこよう。


石灰については
陶芸の釉薬作りに使うからあることはあるけど、
グラウンドに白線を引く石灰でも良いみたいだし
経済的ならそっちが良いかな。
ちなみにセメント袋の標準サイズっていくつなんだろうか?
とりあえず25kgだと仮定して、12.5kgってことにしよう。


問題の苦塩(苦汁(にがり)の事)。
これが一番困った。
豆腐を作るときに必要ってぐらいしか知識がなかったので
いったいどういうものかを一から調べてみた。

塩の情報室 苦汁の話
http://www.siojoho.com/s11/03.html

製造方法が「膜法濃縮」と「蒸発法」の二種類あり、
どこの海水を使っているか、製法は何かで成分が大きく異なるようだ。
今は飲料用(ダイエット目的?)としてスーパーでも売ってるらしいが
値段もピンきりで、高額でも成分が薄めてあったり、安全かどうか分からない表記だったり
体に良いと書いてあるページもあるし、寿命を縮めると書いてあるページもある。
飲料用を買い漁って土間に使うには
質素生活をしてる俺にとっては経済的に厳しい。
農業用の苦汁もあったが、やっぱり厳しい。

それなら作るしかないと思いながらも
海水は手に入れるなんてできないし…
そこで!
苦汁の成分ってどんなものなのかを調べてみた。

豆腐屋さんのホームページから
豆腐に使う苦汁(凝固剤)は4種類あるらしい。

・塩化マグネシウム(塩化マグネシウム含有物)
・塩化カルシウム
・硫酸カルシウム
・グルコノデルタラクトン

土間に使うのと豆腐とじゃ違うかもだが、
つまりは上記の4種類のうち、ひとつを選んで
水に溶いて使うとか、土に混ぜるとかすれば良いのでは?と思った。
まぁ単純解釈だが…。

一般に買えるのかどうか塩化マグネシウムと調べた。
そしたらそんなに高くなくネットで買うことができる。
塩化マグネシウムは空気中の水分を吸収して水溶化してしまう性質があり
使いきれない分を保存する方法が大変だが
まぁ何とかなるだろう。

が、ここでまたすごい説明が載ってるページを見つけてしまった。
簡単に書くと

粗製塩に含まれる硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムの影響で粒子が凝集し、硬くなり、土間になります。
注意点として、コンクリート工作物があると塩の影響でコンクリート内部の鉄が錆びてしまう。

と、書いてある。
ん~~~~、塩化マグネシウムだけじゃダメってことかな????
しかも錆びの影響かぁ。
塩を使わないんだったら大丈夫かなと思ったけど
塩化マグネシウムだけでも錆びてしまうんだろうか…。

という事で錆について化学的に調べたが
やっぱり難しくてとても今回の事に当てはめて考えれない^^;

そういえば床を剥いだときに釘が全部錆びてたんだけど
ただ単に経年変化とかで錆びてるんだと思ってたけど
もしかしたら床下って土間の作り方にすでになってるのかな^^?
この家が建てられたのは昔のことだから十分ありえる気がするな。

とりあえず塩化マグネシウムで苦汁の代わりにするってことで考えよう。

が、まだまだ問題が。
濃度を表すPHという単位。PH23度って~??

まぁこれについても勉強してみた。


NHK高校講座 | 化学 | 第13回 物質の変化 水素イオン濃度とpH
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/kagaku/archive/resume013.html

PHは水素イオン指数のことで、酸性、アルカリ性の度合いを示す数値なんだそうだ。
そしてどうやら通常PH0~PH14の間で濃度値が決まるらしい。
7になると中性という意味なんだそうだ。7未満で酸性、7を超えるとアルカリ性となる。
ゼロを下回る数値や14を超える数値もあることはあるが滅多にないみたい。
自然界で滅多にない14をはるかに超える23という数値って誤植じゃないのかな???
ん~、本当に良く分からない^^;

今はこんな感じで困ってます^^;
今日は一日勉強して終わりそうだなぁ。

8 件のコメント:

  1. 某自治体が管理する「古民家」の管理のお手伝いをしています。
    カマドを毎日焚いています。
    土間も三和土です。
    人の出入りも多く、大分、傷んできています。
    カマドは欠け。三和土は削られ、修理をしたいのです。
    当節経費が潤沢ではないので、
    プロの修理を待っていては先の事になりそうです。
    素人の小生ができる方法を教えてください。
    特に、材料の配合と、入手方法です。

    東京の某区内のご隠居。
    (フリーメールで申し訳ありません。)

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  2. >tenryuu jiroさん

     コメントありがとうございます。
     身近に感じていた土間でも、いざ作るとなると情報が乏しく大変ですよね。
     私も同じ立場でした。だからブログに記録として書いたんです。
     ここに記事と同じ文章を載せるには…^^;
     ですので、このブログを順番にじっくり読んでもらうしかありません。
     自分やjiroさんのように同じく困ってる人が読んでも分かるように書いたんですから。
     経費が潤沢ではないと書かれてますが、きっと私の懐事情よりはあるでしょうw
     今は冬ですので簡単に購入できるはずです。大丈夫ですよ^^
     余談ですが、昔の人がなぜ土間を作られたか、
     化学もない時代に土間を作るのにどう知恵を絞って生み出したか、
     そういう思いを馳せながら調べるのも楽しいものです。
     隠居されてらっしゃるんです。
     ぜひこの機会に楽しんで土間作りを経験してみてください^^
     できれば陶芸もw

     ただし、このブログを読んでも
     どうしても打つ手がない時には
     遠慮せずにコメントしていただければ。
     その場合は、ぜひ現場を見てみたいですね。

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  3. 早速のご指示、
    ありがとうございます。

    年末に、カマドを補修いたします。
    お正月に、それなりの形で使用できればと、
    がんばって見ます。

    ひび割れ、剥離が心配です。
    無謀にも挑戦いたします。

    初めての経験ですので、
    こらからが試行錯誤のスタートです。

    確かに昔の仕事は面白いです。
    この年になって「ヘーッ」 との思いが多くあります。
    そんなに大昔のことではないのに、
    伝承が途絶えてしまった思いです。

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  4. >tenryuu jiroさん

     現場も見てないので想像するしかなく
     適当なことしか言えませんが
     土を扱う陶芸業界にいる私の考えでは
     かまどを後から補修してもある程度のひび割れは
     発生するんじゃないかな~と思います。
     どのような土を使って作られたかまどなのか分かりませんが
     きっとかまどの土も乾燥する段階で収縮してると思うので。
     また、どのような利用状況だったのか
     どの辺りの補修なのか全く分かりませんが
     現在のかまどはそれなりの熱で焼かれている状態なので
     かまどの土の状態をよく見て補修する際の判断材料にしてみてください。

     ん~好奇心を駆り立てられますね^^;

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  5. 現状、修理結果など、
    後日、ご報告いたします(写真など)。

    今の手持ちの材料は、
    荒木田土、稲束、砂、木灰です。

    今回は、小さいカマドの「タキグチ」の補修をいたします。
    荒木田土と稲すさで補修いたします。

    次回は、珪砂を入れてみたいとも考えています。
    カマドの火の中でいろいろと試験して見ます。
    内側の劣化が激しいので、
    「薄手の縄文土器が形成されれば良いのにな~」と、夢の中。

    「のぼりがま」の作り方も参考になるのですかね。
    「たたら製鉄」では、珪砂を入れることがあるそうです(某工業大学の大学祭で聞いた話)。

    底も、灰を無理に取り出すので、かじられっぱなし。
    構造体の下がえぐられると、やばいなと見ています。
    三和土の出番になりそうです。

    1~3月に、小学生の体験授業のが行われますので、
    気候が暖かくなってからの挑戦です。
    カマドは毎日たいています(大・小どちらか)。

    自治体の仕事なんでしょうが、
    プロに依頼すると、三~四十万円かかるそうです。
    全くの素人ですが、
    余計なおせっかいを試みて見ます。

    セメントを使えば簡単なのに。
    こだわりを持ちたいです。

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  6. >tenryuu jiroさん

    ふむふむ
    まだしばらく時間あるんですねー。
    いろいろテストできそうですね。

    藁も珪砂も珪酸分が多いので
    混ぜれば確かに熱には強くなりますよ。
    ただ熱でかまどが崩れにくくなるかは別の話。
    陶芸の登り窯のように耐火煉瓦を利用すれば
    崩れる心配はなくなるけれど
    それじゃ昔ながらのかまどとは違っちゃいますよね^^;

    昔のご先祖様だって何度も直して使ってたんでしょうからね。
    プロに任せなかったためにまた崩れたとしても
    何度も直しちゃえばいいと思いますよ^^b
    修理するのが楽しみですね。

    それにしても楽しそうな古民家ですね^^
    いつか遊びに行ってみたいです^^

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  7. ご報告が遅れて申し訳ありません。

    この年末・年始に補修を試みました。
    土工事は大変でした。
    片手間にする作業では無いようです。

    タキグチが大きく破損していたので、
    そこそこの量の土を塗る必要があり、
    土が落下しないように「木枠」を作成しました。

    荒木田土に藁スサを漉き込み、
    10日間ほど寝かし、
    コテと指で塗りました。
    冬の作業は冷たくて。

    乾いた後は、一日とろ火で加熱し、
    その後は、通常の使用に戻りました。

    使用した粘土の性質なのか、藁スサの影響なのか、
    強烈に収縮、元の下地と新しく塗り固めたものとの間が、
    想像以上に裂け目が入りました。
    異常に引っ張られた感じです。
    裂け目に、更に充填。
    それでもまた亀裂が発生。

    配合を変えようと、
    荒木田土に、スナを多めに入れ、
    亀裂の回りに塗りました。

    何とか「もの」になりました。
    新しく塗った場所が明るい色で不自然なので、
    「カマの底のスス」をぬれた布でふき取り古色風にしました。

    ここで荒木田土の在庫切れ。
    未完成で不満足では有りますが、何とか見てくれもましに成ったので、とりあえず今回の作業は終了といたしました。
    塗った場所をたたくと、回りと音が違います。中が空洞になっているのか。

    今回の作業で分かったことは、
    タキグチの構造材が今流になっていました。
    モルタルのブロックを鳥居状に組み立て、
    その上から土を塗ってありました。
    この鳥居状の上のブロックが中央で割れ「逆V字形」に亀裂が入っていました。

    他は昔からの作りになっているようです。

    構造材の不具合もあり、
    今期予算内で修理が出来そうなのか、
    この3月に修理をしていただけるそうです。
    50万円ほど掛かるのではないかと思います。

    いろいろと、ご指導ありがとうございました。

    今後は、
    カマドの修理作業を見たい事と、
    近隣での家の解体の時、土壁を貰いたいと思っています。
    古い家は、ほとんど残っていませんが。

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  8. >tenryuu jiroさん

     詳しい内容の報告
     わざわざありがとうございます^^

     粘土の水分が蒸発したらどうしても収縮するものです。
     (土だけじゃなく木も同じですね)
     それをなるべく抑えるために
     藁スサを入れてるんだと思います。
     ただし、そのままだと藁の有機物が耐火度、耐久度を下げるので
     ある程度寝かせて、有機成分を発酵するような形で無くし
     繊維質(珪酸分)にしてるんだと思います。
     作業工程を見てないので正確には言えませんが
     10日じゃ短すぎるかな…特に冬場だし。
     収縮時に大きく歪み、空洞が出来てしまったかもですね。
     何かで覆って日数をかけてゆっくり乾燥させれば
     また違ったかと思います。

     なにはともあれ
     無事に作業が終わり良かったですね^^

     しかし次のかまどの修理代に50万ですか…
     今は職人さんも少なく、遠方から呼ばないとダメでしょうしね…
     かまどの修理作業は見逃せないですね^^b
     楽しそうで羨ましいです^^

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