2017年1月19日木曜日

窯の修理が終わりました。

本日1月19日の朝に窯の修理状況と完成の見通しを知るために電話をしました。
「今できました。たった今」と言ったのですぐに引き取りに向かいました。
と言うことでようやく窯の修理が終わりました。

所長「たった今できました」と返ってきた言葉。
作品が大幅に遅れているお客さんがいる以上、何を差し置いても窯の引取りが最優先です。
私「じゃ今から引き取りに行きます!」
所長「30分ぐらいで来れるよね?」
私「30分じゃ無理ですね。最低でも40分は掛かるかな…」
所長「これから外回りに行く予定だから来ても居ないかもしれないけどギリギリまで待ってるから」
と言われて可能な限り安全運転しつつも急いで向かいました。
営業所に着くと、そこにはうちの窯に向かって何やら作業してる所長の背中が…。
終わったと言いつつ終わってない…。
聞くと補修するのをやり忘れていたそうです。
私「じゃ待ってる間に先にお支払いします」
所長「まだ伝票作ってないからこれから作るから」
私「Ohh・・・」

作品の焼き上がりを待ってるお客さんに説明するためにも経緯を聞かなくてはなりません。
嫌な思いをするかもと承知で聞きました。
私「何でこんなに時間掛かったんですか?」と。
私「リップサービスでも売り文句でも、年末まで終わらせるよう努力しますと言ったんですし、それが適わなかったんですから一言連絡ほしかった」
私「生徒さんが来る度に作品が焼き進んでいないので厭きられそうです」
所長「心外だ。いろんな予定を後回しにしてやったのに。そんな言い方されて残念だ」

私「話の流れから作業は一日二日あれば終わる作業量ように言ってたので、年明け以降なぜこんなにも時間が掛かってるのか分からない。もし本当に作業が大変で時間が掛かってるんならそれを教えてほしい」

電熱線の張り替えは13日に顔を出した時に終わっていたんだそうです。
ただし窯の熱電対の保護管が割れており、それが小さい管なので替えが無く、一回り大きい保護管を使って修理したんだそうです。
それもお金が掛からないよう売り物にならない保護管を使い、手間代もサービスでやってくれたんだそうです。

私にとってすごく嬉しい内容ですが、きちんと説明してくれなければ私には知りようがありません。
こちらはただただ時間が掛かりすぎてると感じていましたし、向こうは「他の仕事を後回しにしてやってる」「素人では気づかない個所の修理作業も無償でやってるのに」とお互いの言い分がありました。
全ては情報が不透明で説明不足からくるすれ違いでした。

その場に居て面と向かっていれば説明するのはそれほど感じないですが、わざわざ電話をしたり文書を作成するとなると何倍も手間を感じ億劫になります。
しかもそれによってお金が稼げるわけでもないので、どうしても労力の無駄に思えてしまいます。
この辺りの気持ちは私も同じですので、本当に気をつけなければならないなと思いました。

陶芸家と器を購入する一般の人たちも同じように感じました。
陶芸家がこだわりを持ってたくさんの作業工程をこなして作っているのに対し、その作業量とこだわりは説明されなければ見えないものです。
「100円ショップで買えるのに何で陶芸家の器はこんなに高いんだ」とよく聞きます。
きちんと手づくりの器ですと10倍ぐらい値段が違いますしね。
やはり陶器市のような直接販売する機会に説明したり、(秘密にしたいところもあると思いますが)工房見学などをして見てもらうしかないのかなと思います。

結局はどんな業界でも表面上の見栄えだけじゃなく現場を知ってもらうしかないですね。

もちろん隠居窯は陶芸教室と言う立場ですから、ここで陶芸家のやってる陶芸の大変なところも楽しいところも交えながら説明していけたらと思っています。
実際、一日限りの陶芸体験者さんが来ても粘土にすぐに触らせず、時間を割いて焼き物ができるまでの作業工程を授業するなんて、全国たくさんの陶芸教室があるけど、うちだけじゃないかな?

とにかく窯は戻ってきました。
しばらくは大丈夫だとしてもいつかまた修理が必要になります。
今はネットで電熱線を専門業者から直接購入できる時代です。
今度は自分で直せるよう電気窯の勉強もしていきたいと思います。

今回所長とは、言った言わないの記憶を頼りにした言い合いもあったので、お互い少し嫌な思いもしたと思います。
でもきちんと聞きづらいことを聞いたことで、そのままじゃ分からなかったことが知ることができて本当に良かったと思っています。
窯の修理を忙しいスケジュールの中で終わらせてくれた事、本当に感謝です。
そして知りたがりの面倒くさいお客で申し訳なかったです。
ありがとうございました。

体験のお客様、生徒さんの皆さんには大変お待たせしました。
作品はこれから随時、少しでも速く手元に届くように焼き上げたいと思っています。
でも大事に大切に作業工程を進めます。
もうしばらくお待ちくださいませ。

0 件のコメント:

コメントを投稿