2013年9月16日月曜日

四代徳田八十吉展に行ってきました

こんにちわ。
先日は熊谷に所用があり、
ついでにふらり八木橋百貨店に行ってきました。

入り口の広告を見ると四代徳田八十吉展が開催されていました。

四代襲名記念の個展なんですね。
そして、襲名されたのは三代の長女だったのですね…。
作品も磁器らしいきれいな出来栄えですね…。
デジカメを忘れたので(あっても撮影拒否されただろうけど)作品がすでにうる覚えだけど水色と黄色の釉薬が掛かってる壷、可愛かったなぁ…。

6割ぐらいのスペースで展示してある作品を一通り見て、奥のスペースには初代、二代、三代(先代)の作品もあり…

さすがに初代と二代の作品は少なかったですが、先代の作品はそれなりに多く展示してあり、中でも別格とも言える作品に出会いました。
展示していた作品と全く同じ物か忘れてしまいましたが、下の写真。
耀彩多面壺「恒河」
耀彩多面壺「恒河」(日本工芸会より)

私自身は磁器の作品はあまり好きではなく陶器のほうが好きですし、カラフルな色使いより骨董好きな事もあって地味なものが好きです。
ただ、この作品はそんな事なんて些細な事だと思ってしまうぐらい、問い掛けられ試されてるようです。

この壷は面取りされているのですが、なぜか不思議と丸い作品より丸く感じます。
宇宙が生まれ、星が生まれ、銀河が生まれ、惑星が生まれ、海が生まれ、大気が生まれ、生命が生まれ、今こうしてあるように、無限ともいえる時間、事象が、先代が残した「陶芸は化学」という言葉と共にこの宇宙に浮かぶ地球のような作品に込められてると思いました。
現代でなければ生まれてこなかったであろうこの作品、時代を越えてきた歴史ある作品に匹敵する作品ではないでしょうか。
先代が陶芸家として人間国宝と言う言葉に慢心せずに誠実に向き合い、これを作った時にどんな心境だったのか…取材記事とかひょっこり出てこないかなぁ…。
しばらくこの作品の前で見入ってしまいました。
これこそ人間国宝の仕事だなと。

三代の作品群を通っていくと一番奥には椅子が用意され、四代の取材映像が次々とエンドレスで流れていました。
四代の事を知る良い材料になると思い、いつ終わるのか分からないぐらい長かったですが見てました。
その映像の中で、窯に関する様子が映りましたが、ちょっと首を傾げてしまいました…。
なんと言えばいいのでしょうか…流せば流すほど窯焼きの事が何も分かっていない事を流布している…という感じです。
九谷焼技術研修所を卒業しているのですから知っていても良いと思うのですが、知らないとなると先代の「陶芸は化学」という言葉をまだ意味半分程度で理解しているのでは?と思いました。
先代が生きていればきっと諌めたでしょうが、今は誰もそばで諌めてくれる人が居ないんでしょう…。

そして、何を思って人間国宝の先代の作品と一緒に個展をしたのか。
先代の掘り下げてきた精神、品格、技術、その集大成とも言えるべき作品群を見てしまうと、四代がそれを踏襲した作品は見劣りするのは否めないでしょう。
重々解かり切った上での展示でしょうか。
もしそうなら負けん気の強い度胸のある女性なのかもしれませんね(違ってたらすいません)。

四代目が窯元を高めていくのか、陶芸家としての高みを望むのか…。
どこかでまた作品を見る機会があると思いますので、その時を楽しみにしたいと思います。