2013年12月17日火曜日

根津美術館「井戸茶碗-武将が憧れたうつわ-」に行ってきました

前回の続きです。
2013年11月15日、茶陶三昧三館巡りをしてきました。

五島美術館から、次ぎは根津美術館へ
「井戸茶碗~戦国武将が憧れたうつわ~」に向かいます。

 

表参道駅から歩いて根津美術館へ。
雨が降り始めてたけど、構わず骨董通りからの回り道で。
お昼時なので、すごく混んでました…


無印良品のカフェを見つけたので、ここで昼飯調達。
折角ここまで来たんだから骨董屋さんも入ってみたかったが…うん、時間が無いw


途中、ビルの壁面に飴釉の陶板を発見!
場所が骨董通りとは言え、都会の人たちには気にも留められてないことでしょう…。
まぁ凝った意匠でもないですしね。


根津美術館到着。
あれっ、こんな近代的な造りだったかな?もっと重厚な施設だったはずなのに…と思って調べたら2009年に立て替えられてたみたいです…。


聞いたらロビーではカメラOKって事なので、記念に1枚。

この日はギャラリートークが開催される日で、その団体が会場をぞろぞろ歩くので押し出されてゆっくり見れない事もありましたが、 とにかく在るもの在るものが名碗揃いで、職人さんのロクロを挽く姿や高台削りの風景、実際に持った時の雰囲気を想像しながらスケッチできました。
こういった展示では非常に珍しく「重さ」も記載されていたのもあり、非常に参考になりました。
私の下手なスケッチではどれも似たような絵になってますが、やはり描くと覚えるのか目を閉じて思い出すと浮かんできそうですね。

折角なのでフライヤーから作品の写真を。


国宝、大井戸茶碗、銘「喜左衛門」大徳寺孤蓬庵蔵。
井戸茶碗の大御所ですな。
他の井戸茶碗には太刀打ちできないような別格の風格がありますね。
この写真は写ってませんが、一部釉薬が剥げてる部分なのかな?そこが釉肌に似せた漆で修復されているところがあって、それがちょっともったいない感じ…。
素のままの方が良かったんじゃないかな~と思いつつも、激動の戦国の時代を経てなおキズらしいキズもなく400年守り使い続けてきた事は、素晴らしいの一言に尽きる。
どんどん使ってこその陶器だって事を、この茶碗は伝えてくれますね。


重要文化財、大井戸茶碗、銘「細川」畠山記念館蔵
細川三斎(忠興)(奥さんはガラシャさん)が所持した由来での命銘。
元首相現陶芸家の細川護熙さんの15代前のご先祖様ですね。
大振りな本体をどしっと支える高くて存在感のある高台に、これでもかってぐらいの梅花皮(かいらぎ)が見事。
それでいて口造りは女性の唇のよう…。


重要文化財、青井戸茶碗、銘「柴田」根津美術館蔵
写真では判りづらいかもですが、大井戸茶碗より小ぶりです。
織田信長から柴田勝家へ拝領されたことでの命銘。
上の写真は枇杷色っぽさが強調されてますが、柴田勝家とは似ても似つかないような色白の女性的な茶碗でした。
鬼柴田というイメージ通りなのか茶より酒という感じで、後生大事にしまってあったのかもしれませんね。


小井戸茶碗、銘「忘水」根津美術館蔵
轆轤目もはっきりせず、竹節高台にもなってない井戸茶碗。
ベテランの職人の仕事というより、どこか未熟さが残る作品に感じました。
忘水(わすれみず)とは、野の人目に触れぬところを流れている水のこと、らしい。


ここの根津美術館は日本庭園もあるのですが、雨が降ってたので散策は断念。
時間も無いので次の三井記念美術館へ。
(つづく)

--

井戸茶碗-武将が憧れたうつわ-
2013年11月2日~12月15日

根津美術館
〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1